◎勧進帳

勧進帳(かんじんちょう)は、能の演目『安宅』をもとにした歌舞伎の演目。歌舞伎十八番の一つで、松羽目物の先駆けとなった作品である。 「読み上げ」「山伏問答」における雄弁術。義経の正体が見破られそうになる戦慄感。義経と弁慶主従の絆の深さの感動。延年の舞の巧緻さと飛び六方の豪快。見どころが多く観客を飽きさせない。歌舞伎演目の人気投票で常に上位を占める所以である。 弁慶・富樫・義経の天地人の見得、弁慶の不動の見得、石投げの見得など、美しい見得が次々と演じられるのも見どころである。 初演時、七代目團十郎は能楽を意識して見得につきものの効果音(ツケ打ち)を廃した。現在でもその演出は受け継がれており、軍を表す「石投げの見得」と幕切れの六方に入る直前の見得以外は無音である。